【わかった!!わかった!!】『映画ちいかわ』はなぜ人気?大人も子どももハマる理由

2026年7月24日に公開された『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』は、公開され24日間(8月16日まで)で観客動員数645万人、興収92.8億円*1 を突破しました。

歴代のアニメ映画と比較すると、『ちいかわ』の興行収入はすでに、『STAND BY ME ドラえもん』の83.8億円*2 や、スタジオジブリ制作『借りぐらしのアリエッティ』の92.6億円*3 を超えたことになります。

本作は、コミックスの第8巻に収録されている、ナガノ先生がSNSで連載していたときから話題になった長編エピソードを映像化したものです。

『ちいかわ』は、一見子ども向けアニメのように思われる可愛らしい絵柄をしています。しかし、労働・復讐・紛争・生と死など、大人も引き込まれる普遍的なテーマを取り扱っており、年齢を問わず根強い人気があるのです。

本記事では、『ちいかわ』のアニメやマンガに触れたことがない方に向けて、映画の人気の秘密や、見どころなどをご紹介します。

*1) オリコンニュース「映画『ちいかわ』興収92.8億円突破 『コナン』ペース維持で新たな特典配布へ
*2) 日本映画製作者連盟「2014年(平成26年) 興行収入10億円以上番組
*3) 日本映画製作者連盟「2010年興行収入10億円以上番組

ちいかわとは何なのか

なんか小さくてかわいいやつ、通称ちいかわ。イラストレーターのナガノ先生が「こういう風になって暮らしたい」という文を添えて、2017年にSNSに投稿されたのが世に出たきっかけです。

見た目こそ人類とは似ていませんが、ちいかわと我々には多くの共通点があります。たとえば、ちいかわたちにはさまざまな格差があります。

ちいかわが立派なドーム型の住宅(「むちゃうまヨーグルト」のおうちに住もうキャンペーンで当選)で生活しているのに対し、ハチワレは開放的な洞穴で生活します。

また、ちいかわたちは日々勉強をします。

ちいかわの世界には我々の世界と同じように資格制度があり、資格取得に向けて独学で勉強をするシーンが多く見られます。労働の報酬がアップする「草むしり検定」や、憧れの仕事に就ける「スーパーアルバイター」。お酒の資格をゲットすれば飲酒が許されます。

一生懸命勉強しても、努力が実るかどうかは分からない。思い描いた通りにいくこともあるけれど、そうではなく傷つくことの方がむしろ多い。

人間の世界と同じく、ちいかわたちもさまざまな苦悩や達成感を味わいながら生活している様子が、大人にも刺さっているのではないかと考えます。

そして、ちいかわたちは生きるために働きます。

草むしりや、果物へのシール貼り、キノコの胞子の採取(夜勤)など単発の労働もあれば、ラーメン屋のアルバイト、交通整理、俳優など長期的に雇われるケースもあります。中でも”討伐”は、ちいかわたちにとって重要な仕事のひとつです。

ちいかわの世界にはさまざまな種族が混在しており、「ちいかわ族」(ハチワレやうさぎなど)のほかに、ちいかわへ労働機会を与える「鎧さん」や、ちいかわたちの生活を脅かす「危険生物」。

その危険生物を自衛のために討伐するのが、ちいかわたちの仕事のひとつです。危険生物を討伐しようとすると、怪我をしたり、最悪の場合は捕食されたりする恐れがある一方で、そのリスクと引き換えに高い報酬を得られます。

その討伐に関して、ある日、ちいかわたちにこんな依頼が。

このチラシを手にしたアナタ
特別な島へご招待
島でのカンタンな討伐で
100倍の報酬をもらおう
限定島ラーメンに、甘いもの、辛いもの
みーんな実質無料

この魅力的なチラシを見て、ちいかわたちが島へ向かうところから映画がスタートします。

人魚の「肉」を食べると….永遠のいのちが手に入るってうわさじゃ

画像引用:株式会社ワカモノリサーチ「令和の現役高校生「不老不死でいたい」「100歳以上生きたい」が多数派に!

『映画ちいかわ』のテーマをひとことで表すなら、”永遠のいのち”です。永遠のいのちや不老不死に関して、こんな調査があります。

現役高校生に「ずばり、何歳まで生きたいですか?」とアンケートを取ったところ、約2割が不老不死と回答。調査の選択肢には、55歳~100歳までの5歳刻み、101歳~110歳、111歳~120歳、不老不死があり、不老不死を含めて「100歳以上生きたい」と考えている高校生は35.1%という結果になりました。

「色んな国に行きたい」

「永遠の若さが欲しい」

「地球がなくなるまで生きたい」

など不老不死を願う人が一定数いる一方で、

「介護されてまで生きるのが申し訳ない」

「周りが先に死んでいくのに生きていたら悲しいから」

「認知症になりたくない」

などの理由から、不老不死を望まない人が多数を占めます。

全年齢を対象に「不老不死」や「永遠のいのち」に関する調査は見受けられませんでしたが、やはりどの世代でも永遠のいのちがほしいかどうかは意見が分かれるところだと思います。

実際に、不老不死が今この瞬間に手に入るとしたら、自分はどうするのか。即決できる人は多くないでしょう。

※ここからは『映画ちいかわ』冒頭部のネタバレを含みます。物語の終盤や結末には触れません。

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話を元に戻すと、『映画ちいかわ』では”永遠のいのち”がキーワードのひとつになっています。

ちいかわたちが島へ上陸し、討伐の対象だと明かされたのはセイレーンでした。セイレーンは古代ギリシア神話に登場する半人半魚で、美しい歌声で船乗りを惑わし食い殺す存在として描かれます。

本作でセイレーンは、ちいかわたちに対して「でかくて強い」存在として描かれ、その周囲には「小さくてかわいい」人魚が2体。(ちいかわたちと同じ種族か…?)

セイレーンをメインボーカルに、人魚がコーラス隊となって、歌声によってさまざまな攻撃を受ける島民。島民たちが次々とセイレーンに拉致されてしまいます。それで、別の島に住むちいかわ族へ討伐を依頼したのが発端でした。

チラシに書かれていた「カンタンな討伐」はまったくのデタラメ。でかくて強い討伐をしなければならないと明かされたちいかわ族の多くは、セイレーンの討伐を諦めます。

もともと島民とセイレーンたちには上下関係はあるものの、友好的な関係を築いていました。島民が料理を提供しセイレーンが喜ぶ。セイレーンが歌うと作物が実り、島民たちも潤う。

しかし、ある事件がきっかけでその関係は崩れます。島民の誰かが人魚を食べてしまったのです。もともと人魚は3体いましたが、ちいかわたちが上陸したときにはすでに2体。

島内に人魚の赤い鱗が不自然に落ちていたことから、セイレーンは島民全体を疑うように。ちいかわたちは、最初は観光客としてセイレーンに扱われ敵対視されませんでしたが、島民の味方をしたことでまとめて攻撃されるようになってしまいます。

セイレーンは、犯人が名乗り出るまで島民を食べていきます。さらに犯人を見つけることができたら、息ができない苦しい場所で、永遠のいのちを味わってもらうと話すセイレーン。

誰が人魚を食べたのか。永遠のいのちを目の前にして、一体どんなことが起きていたのか。非常に考えさせられるテーマをこの映画は突きつけてきます。続きはぜひ本編で。

まとめ

子どもが好きだから一緒に『ちいかわ』を見に行ったら、子ども以上にのめり込んでしまったという親御さんも続々。初見でも楽しめる作品です。

映画館へ足を運ぶだけでなく、コミックス第8巻(第1巻からでなくてもOK)も手に取って『ちいかわ』の世界を味わってみてください。

サムネイル画像:Freepik – Magnific.com

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