【感想・レビュー】頭を空にして読める無害なラブコメ『あせとせっけん』

 

汗っかき女子と嗅覚男子の匂いフェチラブコメ『あせとせっけん』は、タイトルのインパクトとは裏腹に、ピュアな恋愛系のマンガです。

 

頭を空っぽにしてマンガを読みたいあなた、マンガを読んで癒されたいあなた、匂いフェチなあなたにぴったりの作品。

あらすじ

出所:山田金鉄『あせとせっけん』第1巻

 

「君の匂いを嗅ぎに来ます!!」

 

女性に絶大な人気を誇る化粧品&バスメーカー「リリアドロップ」に勤める、経理部の八重島麻子と商品開発部の名取香太郎は、特殊な出会いから商品開発のために匂いを嗅ぐ・嗅がれるの関係をスタートさせます。

 

新商品の開発のためならと、渋々協力する麻子でしたが、次第に名取に嗅がれるのも嫌ではなくなってきて…..という物語。

 

魅力的なキャラクターたち

八重島麻子

出所:山田金鉄『あせとせっけん』第1巻

小さい頃から汗子ちゃんと呼ばれるほどの汗っかきで、毎日会社のトイレで汗を拭いたり、制汗剤を付けたりするのが日課な、本作の主人公。

 

とにかく汗をかきたくないという動機から、運動が嫌いなので少しぽっちゃりしていたり、身だしなみに関しては、汗が目立たない服や吸収性に優れた服ばかりを選んできてしまい、オシャレには疎かったりします。

 

このように主人公だけあってキャラの設定が細かく、麻子さんへの作者の愛を感じます。

 

今まで汗をかくことは極端に避けていた麻子さんでしたが、名取さんと出会ってからは「好きな人のためにかく汗なら嫌じゃないかも」思えるようになり、こういった麻子さんの変化も見どころの1つです。

 

名取香太郎

出所:山田金鉄『あせとせっけん』第1巻

麻子さんの良い匂いにインスピレーションを受けて、新商品のせっけんを開発する変態男子で、本作のもう一人の主人公。

 

香太郎という名前だけあって、匂いを嗅ぐことで人の感情までわかってしまう超嗅覚の持ち主です。

 

イケメンで異性にモテて、仕事もバリバリできるのですが、女性の気持ちをわかってあげるのが下手だったり、運動音痴という一面もあり、完璧な人間ではなくキャラクターとしてのギャップがあります。

 

八重島桂太

出所:山田金鉄『あせとせっけん』第2巻

イタリアンレストランで働く麻子さんの弟。

 

クールな見た目と反対に、小さい頃から姉のことが大好きで、名取さんに対してはタメ口で敵意むき出しです。

 

姉の変化には鋭く、男ができたのかもしれないとヤキモキするシーンはとても印象的です。

 

一瀬こりす

出所:山田金鉄『あせとせっけん』第1巻

名取さんの直属の後輩で、新人の頃から3年間名取さんと共に働いており、麻子さんのライバル的な存在。

 

麻子さんの名字が「八重島」なのに対して、「一瀬」こりすという点や、性格、髪の長さからも、麻子さんとは対称的な存在として登場しています。

 

大倉部長

出所:山田金鉄『あせとせっけん』第1巻

麻子さんの直属の上司で、素晴らしいほどの人格者。

 

奥手で物静かな麻子さんが心を開いている、数少ないキャラクターで、麻子さんの良き相談相手でもあります。

 

口調が少しオネエで、プライベートなどのバックグラウンドは、作中では一切触れられていないミステリアスなキャラです。

 

作品の見どころ

ドロドロが一切ない無害なラブストーリー

本作は浮気・不倫といった話とは縁遠く、純粋に二人の関係性がどう深められていくのか、を見ていくことができる作品です。

 

社内恋愛なので、相手が異性の同僚と話しているのを目撃してしまうだけで、不安になってしまったり、誕生日をどう過ごそうか、プレゼントは何にしたら良いのかといったことで悩んだりと、お付き合いを経験したことのある人なら、誰しも共感できるような内容になっています。

 

話が進んでいくにつれて二人は成長していくのですが、相手を第一に思って付き合っていくというスタンスは変わることがなく、それゆえに自己中心的な相手に対する欲求と、相手に配慮する気持ちが板挟みになり、それぞれが葛藤するシーンはリアルに描かれていて共感する部分も多いです。

 

女の子がいかにかわいいかが丁寧に描かれている

作者の心血が注がれた本作は、麻子さんというか、女の子ってこういうところが最高だよね、ということを伝えているかの様なシーンが、たくさん散りばめられています。

 

例えばですが、作者は麻子さんの赤面シーンに力を入れていて、Twitterでは「「あせとせっけん」の最初の読み切りを描こうと思った動機は「地味メガネOLが赤面する様子をしこたま描きたい」以外の何物でもなかった」と言っているほどの赤面好きです。

 

麻子さんが照れた時・テンパった時・嬉しい時など、あらゆるシーンと赤面がセットになっています。

 

また、麻子さんの髪型も要注目です。

 

縛り方によって違いもありますが、寝起きで髪が少しボサボサな麻子さんや、お風呂上がりで髪がストンとしている麻子さんなど、丁寧に描き分けられていて、それぞれが非常にかわいいです。

 

他にも汗を拭くシーンや、社員証のストラップの使い方が素晴らしいシーン、奥手な女子が頑張って誘っているシーンなど、重要なシーンはいくつもあるので何かしらは心に刺さると思います。

 

頭を使わずに読めるのでオススメ

本作は、内容がスーッと頭に入ってくる、無理に頭を使う必要がないマンガです。

 

決して内容が薄いというわけではなく、きちんとこういう理由があるから、登場人物はこういう気持ちになって、こういう行動をした、ということがロジカルにわかるので、余計な疑問点が浮かんだりつまづいたりすることがなく、内容がスーッと入っていきます。

 

あせとせっけん』というタイトルを見て、ただのいやらしいマンガなんじゃないの?と敬遠している方もいるかもしれませんが、内容自体はとても清潔感のある純粋なラブコメ作品です。是非とも読んでみてください。

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