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『20歳の自分に受けさせたい文章講義』は学校や仕事で文章を使う人、すなわち、あらゆる人にとって有用な「文章の教科書」です。
この本を読むことによって、
・わかりやすい文章を書きたい
・文才がない
といった悩みが解決されます。
この手のノウハウ本にありがちな、薄っぺらくて当たり前のことをだらだらと書いてある本なんじゃないのか、と思われる方がいるかもしれませんが、本書は最初から最後まで一言一句無駄がなく有益です。
またこの本は、ライターで稼いできた著者のエッセンスが詰まっており、本の文章自体も参考になる上に非常に読みやすいです。
簡単にですが、本書について以下でご紹介します。
「話すこと」と「書くこと」は、まったく別の行為である。
友達や同僚との会話はスラスラできるのに、文章はスラスラ書けない!といった経験はないでしょうか。
「話すこと」も「書くこと」も、脳で考えたことをアウトプットする行為であるという点では、同じことのように思えますが、伝えることの難易度が違うため、書くことを難しく感じてしまうのです。
話す時には言葉に加えて、表情や声のトーン・大きさなど、非言語の部分でも思ったことを伝えることができるのですが、文字だけで伝える場合は、非言語で伝えることはできず、本当に文字のみの勝負になるため難易度が跳ね上がります。
そのため、話すように書けばいいというアドバイスは全く参考にならないということがわかると思います。個人的に、話すように書こうということを意識していた僕にとって、なるほどと思わせる内容でした。
僕たちは「書くこと」について習ってこなかった
思えば、僕たちは学校などで「書くこと」については、ほとんど学んできませんでした。
国語の授業は、過去の名作を音読したり、各々感想を言い合ったりするだけです。
読書感想文や作文があったじゃないかという反論もあるかもしれませんが、文章の書き方や組み立て方を直接先生から教わったことはないと思います。
しかも読書感想文や作文に関しては、先生にいかに褒められるかが基準になっているため、道徳的なことしか書くことができず、書き方指導ではなく心の指導にいつの間にかすり替わってしまいました。
そんな僕たちにとって『20歳の自分に受けさせたい文章講義』という本は、国数英理社よりも重要な「文章講義」です。
文章を書くということは翻訳である
スラスラ書くためには「書こうとするな、翻訳せよ」
これが最も筆者が伝えたかった言葉なのではないかと思うくらい、しつこいほどに本の中に登場してきました。
これは重要な意識だと思っていて、「書く」という抽象的な行為をわかりやすく表現した文言だと思っています。
誰しも言葉にならないぼんやりとした「ぐるぐる」を頭の中に持っていると思うのですが、それを書くのではなく翻訳したものが文章なのです。
翻訳する手順としては、「ぐるぐる」を一旦整理してから自分の言葉に噛み砕き、文字に起こすのです。
この「ぐるぐる」を整理する方法、自分の言葉に噛み砕く方法が書かれているのが『20歳の自分に受けさせたい文章講義』なのでぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
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